長井港は横須賀市南西部に位置する船宿の多い港だ。
イカ釣り専門の船が多いことでも知られている。
長年通っているので、地元漁師とも仲良くなり、
時々、長井沖で採れるサザエを分けてもらうことがある。
この辺りは計画的に稚貝の放流を実施することによって、
近年水揚げ量も着実に増えている。

サザエは食べるまでに手間がかかる食材である。
特に刺身にするには硬い殻を壊して、貝柱部分を取り出し、
ヒモと嘴(クチバシ)を除いて、最後に蓋を外す。
サザエ1つからは5〜7切れ程度しか刺身は取れない。
酒の肴にするには5・6個は必要だろう。

刺身も美味いが壺焼きも美味い。
酒と醤油をサザエに注ぎながら、中火で時間をかけて焼く。
焼けた身は細かく切って適当な皿に盛り付ける。
壺の中に残った出汁は別にして取っておき、
醤油代わりにつけて食べることをお勧めしたい。

歯応えと独特の香りによって酒が進む。
一杯、もう一杯と酔いもまわり、釣り人は至福の時を迎える。